こじらせ女子の映画好きには理由がある。
人生を前向きに生きられそうな本や映画を定期的に読んでいる。
これからどうやって生きようかと考えたとき、どうしようもなく不安で何か肯定的な考えを取り入れたいとき。
世の中に素晴らしい本や映画はたくさんある。
見てる間、読んでる間は勇気が出て、なんでも出来る気持ちになってる。
素晴らしいアイデアを得て自分もそうした人間になれる気がしてしまう。
外国映画など見ると、美しく精神的にも素晴らしい女性の主人公に自分を重ね合わせたり…
その後、自分の人生が変わった試しはないのだけどもね。
それはそうで、自分の行動を変えずに過大なイメージだけ膨らませているだけだから。
質のよいものに触れて、チリも積もれば山となるように少しは何かいい影響はあると思うけど、私の場合は本や映画の世界に逃げて実際に自分で行動するのを避けているのね。
自分の世界で陶酔してるだけだった。
これが排他的で自己中心的な世界なのよね。
より良いものを取り入れたら素晴らしい自分になれるみたいな幻想が私の中にあった。
そういう自分を意識するようになって、映画も本もほどほどにするようになった。
昨日『アリスのままで』という映画を見た。
映画を見るのは久しぶり、寝る前になんとなくAmazonプライムをのぞいていたら懐かしい映画を見つけたので眠くなるまで見ようと思った。
見るのは4回目ぐらいだし、印象に残るシーンだけ飛ばしてみようと思ったのよね。
そしたら目を奪われてしまって…
若年性アルツハイマーの症状から徐々に認知機能が下がり、かつての自分を失っていく主人公と家族の様子を映した映画なのね。
スピーチのシーンもすごく感動的なんだけど
ラストシーンで娘が主人公に、詩を読んで聞かせるんだけどこれがグッとくるのよ。
症状が進んで虚ろ状態で理解できているのかわからない母親。
「ママ…これは何についての詩だった?」
ようやく絞り出した言葉が「愛について…」ってね、泣かせないでよね。
人生って悲しいね。
でも、それでも生きていきたいなぁって感じた自分には少し驚いた。
私の人生はしょうもないし、長生きなんてしたくないと思ってたけど人間変わるもので。
少なくとも、同じ映画を見ることで自分の変化はわかるみたい。