良い映画を見ると憂鬱になるのは…
映画を見てまいりました。
「この世界のさらにいくつもの片隅に」
「この世界の片隅に」のスピンオフ作品です。
監督にサインと握手をしていただきました。
監督が目をみて「ありがとうございます」とおっしゃってくださってとても嬉しかった。
手が柔らかくて温かくてもっちりしてたのが印象的です。
「この世界の片隅に」は主人公のすずさんの戦争の中の暮らしを描いた作品です。
日常の細やかな風景や人物の関係性は、とても自然で嫌味がない。
登場人物は愛らしくてどこか憎めない。
精神的に自立していてさっぱりしたものです。
戦時中も変わらず生活を続ける市井の人びと、厳しい生活の中に楽しいこともあります。
戦争は繰り返してはいけないと、戦争経験者の方からよく聞いていましたが、「そんなの当たり前じゃない」と深く考えることはありませんでした。
国同士の戦争という、自分でもどうしようもなく大きなものに踏みにじられること。
家を壊され、大切な人の命が奪われ、どんなに悔しかったか、やりきれなかったのか想像すると胸が痛みます。
その中でこれからも生きようとする人々の姿に胸が打たれました。
ここからが問題なのです。
良い作品に触れた高揚感の影に虚しさを感じるのです。
この素晴らしい作品を作った表現者たちや、作品の中の輝くような登場人物を見ると、自分がいかに懸命に生きてないかを実感してしまうのです。
始める前からできない理由ばかり探し、努力を怠ってきた自分が見えるのです。
生ぬるい優しい世界にずぶずぶ浸り、失敗するのが怖くて何もしないで自分を正当化するのです。
くそー!!だめだ!
変わりたい。
私もそうなってみせる。
そうなる。
おわり